蕎麦好きが憧れる名店「竹やぶ」と、蕎麦の革命児・阿部孝雄に迫る

お店・料理人紹介

「竹やぶ 柏本店」は、1967年に千葉・柏で創業した蕎麦の名店。店主の阿部孝雄さんは、「池の端藪蕎麦」での修業を経て独立。1982年には現在の手賀沼を望む丘へ移転し、今に続く。手打ち・石臼挽きによる自家製粉を取り入れ、粗挽きの蕎麦や田舎そばといった独自のスタイルを確立し、多くの弟子を育てながら、蕎麦職人としての技術と哲学を伝え続けています。

「竹やぶ」基本情報と特徴

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基本情報

  • 店名:竹やぶ 柏本店
  • ジャンル:そば
  • 開業:1967年
  • 所在地:〒277-0005 千葉県柏市柏1144-2
  • アクセス:JR常磐線「柏駅」徒歩25分。常磐線・東武野田線柏駅からバス「慈恵医大柏病院行き」に乗車し「柏ふるさと公園入口」下車、徒歩2分。
  • 電話番号:04-7163-9838
  • 席数・設備:32席、個室有、貸切可、全席禁煙、駐車場有
  • 営業形態:予約はコース料理のみ
  • 営業時間:11:30~L.O.19:00
  • 定休日:火曜日(祝日の場合営業)
  • 平均予算:昼:5,000~6,000、夜:10,000~15,000
  • 外部評価:食べログ3.96, 百名店2017/2018/2019/2021/2022/2024
  • ウェブサイト:https://takeyabu.co.jp/
  • ※2025年2月「竹やぶ」「食べログ」より

メニューの特徴

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そば三昧コース
「竹やぶ」の魅力を存分に味わえるコースで、蕎麦の異なる表情を楽しめる構成になっています。最初に、粗挽きのそば粉を使った風味豊かな「そばがき」、その後「せいろ」または「田舎せいろ」、さらに出汁がしっかりと染み込んだ小ぶりの「にしんそば」が続き、最後は上品な甘さの「水あずき」で締めくくられる。初めて訪れる人にもおすすめの、蕎麦の奥深さを堪能できるコース。

田舎そば
「田舎そば」は、粗挽きの蕎麦粉を使用した力強い風味と食感が特徴の一品。数量限定のため、確実に味わいたい場合は早めの来店がおすすめ。

天ぷら
竹やぶの天ぷらは、素材の持ち味を最大限に引き出す繊細な仕上がりが特徴。特に「かき揚げ」は、一見シンプルながらも熟練の技が求められる逸品。長年の経験を活かした加減により、香ばしくふんわりとした食感が楽しめます。

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予約方法

予約はコースのみで、電話で予約が可能です。
柏本店:04-7163-9838
箱根店:0460-84-7500

阿部孝雄さん 蕎麦に新たな潮流を生み出してきた職人

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阿部孝雄さんは、1944年新潟県生まれの蕎麦職人。20歳で「池の端藪蕎麦」に入店し、1年10ヶ月の修業を経て独立。1967年に千葉・柏で「竹やぶ」を開業し、試行錯誤を重ねながら「手打ち・石臼挽きによる自家製粉」のスタイルを確立した。
1982年には現在の手賀沼を望む丘へ移転し、日本有数の蕎麦職人として数々の著名人に愛される名店を築く。香りや食感を重視した粗挽きの蕎麦を提供し、従来の蕎麦の概念を覆してきた。多くの弟子を育てながら、蕎麦職人の技術や考え方を次世代へと伝え続けている。
また著書などを通じて、自らの技術や哲学を広く発信している。日本の蕎麦文化に新たな潮流を生み出し、今も多くの料理人に影響を与えている。

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シェフの経歴・受賞歴

氏名:阿部孝雄
生年:1944年
出身地:新潟県
所属・肩書:「竹やぶ」先代店主
独立:1966年「竹やぶ」を開業
主な修行先:「池の端藪蕎麦」
主な経歴:
1964年「池の端藪蕎麦」で修業。1966年千葉県柏駅前に「竹やぶ」を開業。1982年に移転。1993年「恵比寿竹やぶ」(2003年に閉店)、2002年「箱根竹やぶ」、2003年「竹やぶ六本木ヒルズ店」(2011年に閉店)をオープンし、多くの弟子を輩出。「手打ち・石臼による自家製粉」の潮流を牽引し、日本有数の蕎麦職人として数々の著名人に愛される名店を築いてきた。
著書:
・『竹やぶの蕎麦』(1997)
・『そば竹やぶ名人の真髄』(2003)
・DVD『「竹やぶ」阿部孝雄のそば打ち』(2011)

阿部孝雄さんの料理哲学と人生観

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迷いながらも道を貫き、本当に美味しい蕎麦を追及
池之端藪蕎麦での修行後、阿部孝雄さんが「竹やぶ」を開業したのは1967年。当時、周囲の蕎麦屋が35円で提供していた盛りそばを50円で出したことで、「こんなそば屋は十年早い」「すぐ潰れる」と言われていたとのこと。最初の一週間こそ客は来たもののその後ぱったりと足が遠のき、生活のために夜遅くまで営業を続けなんとか生計を立てていました。

「何のために働くのか」

自分が本当にやりたいことを考え、美味しい蕎麦を追求しようと決意。ひたすらに試行錯誤を重ね、石臼による自家製粉と手打ちの形をつくっていきます。1982年には手賀沼を望む現在の地に店を移転。風通しのよい丘の上で玄そばからの自家製粉と蕎麦の手打ちという技法を磨き上げ、やがてこの手法が多くの職人たちに影響を与えることになります。

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「自分らしいそばを作る」

「着飾ったものほどみっともないものはないよ。自分の字、自分の絵、自分の文章を作ることだよ。」

阿部さんが作家の小島政二郎さんに出会った時に言われた言葉です。それまでの「こうならなくては」といった強迫観念のようなものが薄れ、自分らしい生きざまを見つけることや自分らしい料理を作ることに考えが変わっていったと話します。

「師を無数に選べ」

北大路魯山人の言葉です。上には上がいることを理解し、名店を食べ歩き勉強する。人の縁を大事にし、様々な人から指導を受ける。それを続けていく中で、コピーではなく自分らしいものを作りあげていく。職人の本質を感じさせる阿部さんの経験と言葉です。

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素材を超える料理人はいない―生産者との縁が生む味

「素材を超える料理人はいない。素材を生かす料理人でなければならない」

竹やぶでは、長年付き合いのある生産者が育てた国産の玄そばを使っています。新潟県の黒姫でそばを作る坂爪さんとは40年のお付き合い。「この人に任せたら間違いない」と思える相手との信頼関係を特に大事にされています。

朝夜の寒暖差のある環境で育つ黒姫のそばは、風味豊かな「霧下そば」として日本でも有名。坂爪さんが土から育て、天日乾燥で仕上げた玄そばを竹やぶで挽きそば本来の風味を引き出します。

「やっぱり人ですよね。考え方も、もてなし方も、そばづくりも。人間が悪かったら絶対においしく感じない。」

「味=人。いい人、魅力ある人。やっぱり魅力ある人になりたいですよね。」

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自分らしいそば、自分らしいおもてなしで多くの人を魅了してきた阿部さん。
職人人生60年となった今も、自分を磨き、そばを打ち続けています。

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味道|インタビュー 阿部孝雄・阿部智也(竹やぶ)

 ※味道-MIDO- Webサイトで佐々木さんのインタビュー動画を公開しています。無料会員登録のみで視聴可能ですので、ぜひご覧ください。

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