「食を通じて日本を元気にしたい!」ジャンルを超えた料理を生み出した料理界の巨匠、熊谷喜八の歩む道

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1987年創業、青山「KIHACHI」。フランス料理界を牽引してきた巨匠の一人である熊谷喜八さんによって創業された当店では、厳選された素材が自由な発想とアイディアによって調理される。パンとワインへの調和を軸としつつも、ジャンルを超えた技や考えが表現される料理は「KIHACHI流洋風無国籍料理」と呼ばれ、訪れる人々を魅了し続けている。

1.「KIHACHI 青山本店」の基本情報と特徴

1.1.基本情報

  • 店名:KIHACHI 青山本店
  • ジャンル:洋風無国籍料理
  • 開業:1987年
  • 所在地:〒107-0061 東京都港区北青山2-1-19
  • アクセス:東京メトロ 銀座線/外苑前駅4a出口(徒歩2分)
  • 東京メトロ 銀座線・半蔵門線/青山一丁目駅1出口(徒歩4分)
  • 都営地下鉄 大江戸線/青山一丁目駅1出口(徒歩4分)
  • JR中央・総武線各駅停車/信濃町駅(徒歩13分)
  • 電話番号:03-5785-3641
  • 座席・設備:190席、個室あり、全面禁煙
  • 営業形態:二階フロアは完全予約制
  • 営業時間:1F 11:30~22:00(21:00 L.O.)
    2F ランチ  11:30~16:00 (15:00 L.O.)
    ディナー 18:00~22:00 (21:00 L.O.)
  • 定休日:不定休 ※HPにてご確認をお願いいたします
  • 平均予算:昼6000円~ 夜8000円~
  • ウェブサイト:https://www.kihachi.jp/restaurant-cafe/shoplist/aoyama/

※2025年2月「キハチ 青山本店」「食べログ」より

1.2.メニューの特徴

「KIHACHI」では、フレンチをベースとしながらも、各国の調理法や調味料を取り入れた無国籍料理が提供される。厳選された食材の旨みを最大限引き出すことに注力し、世界各地の技法が駆使されたジャンルにとらわれない一皿が生み出されている。

「料理の国籍を表すのは調味料である」という考えももつ熊谷喜八さん。調味料を融合することで新しい味わいを作り出し、食材を生かす料理へと昇華をしていく技術や考えを、提供される料理から感じることができる。

1.3.予約方法

月の初めに翌日末日までの予約を行っていますが、電話が混雑するのでオンラインサイトからの予約が推奨されています。(以下外部サイト)
キハチ 青山本店 – TableCheck (テーブルチェック)

2.創業者 熊谷喜八さん 国籍に捉われない自由な発想

熊谷喜八

熊谷喜八さんは1946年東京生まれの料理人です。映画「翼よ!あれがパリの灯だ」で映しだされるパリの街並みに憧れ、料理人を目指します。銀座東急ホテルや大使館で料理長に就任したのち、当時ジョエル・ロブション氏が率いていた「ホテル・コンコルド・ラファイエット」でセクションシェフを務めます。1987年に「KIHACHI」をオープン。フランス料理をベースに、日本発の洋食としてKIHACHI流無国籍料理を生み出しました。

2.1.料理人の基本情報

氏名:熊谷喜八
生年:1946年
出身地:東京
肩書:「KIHACHI」創業者
独立:1987年KIHACHIを開店
主な経歴:銀座東急ホテルをはじめ、セネガル、モロッコ日本大使館料理長に就任後、渡仏。パリの「マキシム」、「パヴィヨンロワイヤル」で経験を積み、その後、当時ジョエル・ロブション氏が率いていた「ホテル・コンコルド・ラファイエット」でセクションシェフに就任。帰国後、高樹町「シルバースプーン」料理長、葉山「ラ・マーレ・ド・茶屋」の総料理長を務め、1987年、KIHACHIをオープン
著書:
・「KIHACHI 旬レシピ 青森の四季を料理する」(ヴィレッジブックス)
・「KIHACHI 旬レシピ 高知の四季を料理する」(ソニー・マガジンズ)
・「KIHACHI四季のレシピ集」 春夏秋冬編 全4巻 (NHK出版)
・「KIHACHI四季のレシピ集」 特別編 アンティパスト編、メインディッシュ編(NHK出版)など多数
受賞歴:
・フランス アルパッジョン料理コンクールにおいて、プロスペールモンターニエ杯を日本人として初受賞
・日本食生活文化財団「食生活文化賞 銀賞」受賞
・厚生労働省「卓越技能章 現代の名工」受章
・「黄綬褒章」受章

3.熊谷喜八さんの料理哲学と人生観

1946年に生まれ、終戦後のグレーの色から自分の人生が始まったと話す熊谷喜八さん。映画「翼よ!あれが巴里の灯だ」の中に映し出されたパリの風景に心をうたれ、料理人として海外に出ようと決意します。

中学卒業後にラーメン屋の出前などから仕事を始め、その後ホテルの厨房で働き始めた熊谷さん。当初「まかない」という言葉も知らないところから必死に努力をし、22歳にはセネガル大使館の料理長に就任。その後モロッコ大使館の料理長も務めますが、そこでは挫折も経験。その際に同僚のセネガル人に作ってもらったスフレを食べ、フランス料理の魅力を肌で感じ取り、もう一度勉強したいと思いフランスに飛び立ちます。

名店「マキシム」からスタートし、故・井上旭シェフや石鍋裕シェフが既に活躍している中での修行は苦労の連続だったとのこと。その後、当時フランス料理界でもアラン・デュカス氏やアラン・シャペル氏と並び注目の若手であったジュエル・ロブション氏の元でも学び、フランス料理の道を深めていきます。ジュエル・ロブション氏は特に一つの物事に対する考え方や集中力が凄まじく勉強になったと熊谷さんは話します。

「多国籍料理ではない。パンと合う、ワインと合う、洋風無国籍料理をつくる」

熊谷喜八

帰国後、神奈川県葉山の「ラ・マーレ・ド・チャヤ」で働いていたところに台北のレストランからのオファーがあり、台湾へ行きます。しかし台湾では食文化の違いや衛生面の問題から、自分の持つ技術では世界に通用しないと挫折することに。その経験が、熊谷さんの創業する「KIHACHI」のコンセプトでもある「洋風無国籍料理」のきっかけとなっていきます。

日本の素晴らしい素材を生かし、様々な技術で「洋風無国籍料理」として仕立てる「KIHACHI」は、日本のレストランシーンを代表する人気店として業界を牽引してきました。

牛ロースのコンフィ01

「日本を元気にしたい。特に地方創生。日本の生産者を元気にするために自分に何ができるのか。」

日本の生産物はその品質や流通面で間違いなく世界でトップであると誇る熊谷喜八さん。現在は、日本にたくさんあるいい素材を美味しい料理にする、付加価値をあげていくことで生産者を応援するために様々な活動を続けています。

アフリカの大使館、フランスの一流レストラン、台湾での経験をもって自分ならではの「無国籍料理」を作り出し、様々な生産者や料理人と出会ってきた熊谷さんだからこそ歩める道。
「食を通じて何をこの日本にお返しできるか。料理人として最後の道がそこにあります。」

味道|インタビュー 熊谷喜八(KIHACHI)

味道 -MIDO-とは?

mido味道

「味道 -MIDO-」は、日本を代表する料理人たちが仕掛ける新しい動画配信サービスです。
「日本の食文化の継承と発展」を目的とし、食を愛する方々に向けて一流の技やレシピ、哲学に関する動画を配信しています。
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